「窓花/中国の切り紙―黄土高原・暮らしのフィールドワーク」
展覧会の舞台となる中華人民共和国・陝西省延川は、黄河の上流から中流域に広がる 黄土高原に位置しています。人々は大地に横穴を掘って作る住居ヤオトンに暮らし、年の瀬には窓の障子を貼り替え、そこに「窓花」と呼ばれる赤い切り紙を
貼って年迎えをします。年々歳々、作り続けることで伝えられてきた窓花、それはまさに黄土の大地に咲く花のようです。
本展では、切り紙の造形美を伝えることはもちろん、訪れる人がフィールドワーカー となって、黄土高原の生活を体感するような展示空間をつくります。人の手の中に生まれ、季節や人生の節目を彩ってきた紙の花々。紙というはかない存在の中 に、いのちが巡り暮らしが紡がれてきた、悠久の時間を感じていただければ幸いです。